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| タイヤの空気圧に関する考察 |
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◇はじめに |
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◇ロードインデックスとは何か |
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◇ロードインデックスと空気圧の関係 |
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◇彩の国@管理人的結論 |
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◇重量の大きい車両への対応 |
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| ◇はじめに |
| 先日、アルミホイールを買い換え、使用していたタイヤに組替えて装着してもらいました。空気圧を計ってみると、270kpa以上に設定してありました。タイヤ組直後の馴染み不足による空気漏れを考慮してのことかとも考えましたが、そうでもない様です。後日、ホイールを買ったカー用品店で空気圧について尋ねたところ、「18inchタイヤでは、窒素ガスは270kpaを標準で入れています」とサラリと言われました。 |
以前、メーカーが走行テストを行って指定空気圧を決めたのだから、メーカーの指定空気圧に設定するのが絶対に正しいと言い張って譲らない御仁がいらっしゃいました |
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| たいていのクルマでは、フロントドアを開けたボディ側もしくはドアパネル側に、タイヤサイズごとの指定空気圧を示した一覧表がついています。 |
| では、タイヤサイズが変わった場合には、本当に270kpaというような高い空気圧がストリートで必要となるのでしょうか。また、メーカーの指定空気圧は絶対的なものなのでしょうか。 |
| これまで、空気圧の設定についてのご質問も時々受けたのですが、その度に「メーカー指定値の200paから240kpaの間で調整してください」とお答えしてきました。これを機会に、少々空気圧について考察してみることにしましょう。 |
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| ◇ロードインデックスとは何か |
| 世界には主なタイヤ規格が3つあります。米国のTRA、ヨーロッパのETRTO、日本のJATMAはそれぞれタイヤの寸法や負荷能力(※1)を制定し、その規格に沿ってタイヤが設計されています。タイヤは国際的に流通する自動車部品なのでタイヤ規格の共通化を進めています。ロードインデックス(荷重指数)はタイヤ規格で定められているタイヤが負荷できる最大負荷能力(最大荷重)を示す数値のことで、タイヤ側面に表示されています。 |
| ロードインデックスの表はタイヤカタログの最後のほうに掲載されています。この表を見ると、そのタイヤの負荷能力がわかるのですが、空気圧によって負荷能力は変化します。 では、『最大負荷能力』は空気圧が何kpaの時かというと、JATMA規格では空気圧が240kpaの時です。
(※JATMA規格のロードインデックスと空気圧の対応表はこちら) |
| (※1)負荷能力:1本のタイヤで支えることができる荷重(質量)のこと。単位はKgで示す。 |
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| ◇ロードインデックスと空気圧の関係 |
| タイヤのロードインデックスに応じた空気圧に調整する必要が生じる可能性があるのは、インチアップ等によりタイヤのサイズが変わり、それに伴いロードインデックスが変わった場合です。 ここでは、日本国内のJATMA規格に基づいて、インチアップ時におけるタイヤのロードインデックスと空気圧の関係について考察してみることにします。 |
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| ではさっそく、スカイライン300GTの場合を例にとり、インチアップした場合の空気圧を検証してみましょう。 |
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| 設定条件 |
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| 車名 |
型式 |
前軸重(kg) |
後軸重(kg) |
車両重量(kg) |
車両総重量(kg)* |
乗車定員 |
| スカイライン300GT |
HV35 |
810 |
690 |
1,500 |
1,775 |
5人 |
| 車両重量に対する前後重量比率 |
54% |
46% |
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*体重55kg/人と想定 |
| 車両総重量における前軸重(kg) |
958.5 |
816.5 |
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55kg×5人=275kg |
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| インチアップ前後の対比 |
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| 標準タイヤサイズ(17) |
負荷 |
負荷能力(空気圧200kpaの場合) |
負荷能力(空気圧240kpaの場合) |
| 能力 |
1本 |
軸負荷能力 |
軸重 |
差 |
1本 |
軸負荷能力 |
軸重 |
差 |
| フロント |
215/55-17 |
93 |
585 |
1,170 |
958.5 |
211.5 |
650 |
1,300 |
958.5 |
341.5 |
| リア |
215/55-17 |
93 |
585 |
1,170 |
816.5 |
353.5 |
650 |
1,300 |
816.5 |
483.5 |
| 18インチ |
負荷 |
負荷能力(空気圧200kpaの場合) |
負荷能力(空気圧240kpaの場合) |
| 能力 |
1本 |
軸負荷能力 |
軸重 |
差 |
1本 |
軸負荷能力 |
軸重 |
差 |
| フロント |
225/45-18 |
91 |
555 |
1,110 |
958.5 |
151.5 |
615 |
1,230 |
958.5 |
271.5 |
| リア |
245/45-18 |
96 |
640 |
1,280 |
816.5 |
463.5 |
710 |
1,420 |
816.5 |
603.5 |
| 19インチ |
負荷 |
負荷能力(空気圧200kpaの場合) |
負荷能力(空気圧240kpaの場合) |
| 能力 |
1本 |
軸負荷能力 |
軸重 |
差 |
1本 |
軸負荷能力 |
軸重 |
差 |
| フロント |
225/40-19 |
89 |
520 |
1,040 |
958.5 |
81.5 |
580 |
1,160 |
958.5 |
201.5 |
| リア |
245/40-19 |
94 |
600 |
1,200 |
816.5 |
383.5 |
670 |
1,340 |
816.5 |
523.5 |
| ※上表の「差」の部分がマイナス表示の場合は負荷能力最大値を超えて負荷がかかっている状態となります。その場合、走行中にバーストする危険性がありますのでご注意ください。 |
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| 上表の結果から、18または19inchへインチアップした場合でも、空気圧は200Kpaあれば可ということになります。V35の場合は、空気圧が200Kpaのとき軸負荷能力が軸重を下回るのはLI86以下の場合だけですので、極端な空気圧の低下に気を付ければいいことになります。 |
| このように、乗用車は比較的軽いので、空気圧を変える必要はありませんが、4WDやワンボックスのような重い車両の場合は空気圧を上げなければバーストする危険も想定されます。 |
| ※計算上はそういう結果ですが、若干(0.1〜0.2)高めにしておいたほうが安全です。 |
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| ◇彩の国@管理人的結論 |
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| 上記の検証結果とJATMA規格では240kpaでタイヤ設計がなされていることを考え合わせると、240kpa以上の空気圧設定はタイヤ設計上の最大値以上に負荷を上げることになり、タイヤ自体への悪影響が大きい。 また、ストリートでは必要以上に空気圧を高くすることに技術的根拠は無く、ただ単に乗り心地の悪化を招くだけと結論付けたいと思います。 某カー用品店では、窒素ガスの温度による体積変化が少ないために、本来は車両ごとの空気圧を算定して決めるべきなのですが、18inchタイヤではオールマイティ的に一律270kpaを入れているのではないかと推測します。 |
| 但し、CPV35・Z33での指定空気圧(225/45-18、245/45-18)は240kpaですので、彩の国@管理人の愛車はこれに合わせています。 |
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| ◇重量の大きい車両への対応 |
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| タイヤ規格の中で、ヨーロッパのETRTOでスタンダード規格タイヤより空気圧を高く設定したタイヤがリインフォースド規格タイヤです。「リインフォースド規格タイヤ」は「エクストラロード規格タイヤ」と同じ意味です。ETRTOスタンダード規格タイヤの最高負荷能力の空気圧は250kPaですがETRTOリインフォースド規格タイヤは290kPaとなっており、高空気圧によって負荷出来る荷重が高くなっているのが大きな特徴です。日本では、タイヤハウスに余裕がない輸入車への装着を目的として販売されています。偏平率の小さなタイヤに交換すると、タイヤの中に入る空気の量が少なくなり負荷能力(※1)が低下することがありますが、このような場合のタイヤ選択にも向いています。 |
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